
膝の痛みには様々な種類がありますが、そのなかでも頻繁に見受けられるのが「立ち上がるときの膝の痛み」です。
椅子からヨイショと立ち上がる時に膝に痛みが走ると辛くて億劫になってしまいますよね。
ということで今回は、立ち上がる時に膝が痛む原因を特定して、痛みを解消させるための効果的なマッサージの仕方をご紹介します。
目次
立ち上がる時に膝が痛む原因は「あそび」の消失
立ち上がる時に膝に痛みがでるのには原因があります。
とくに膝の関節にあそびがなくなると膝の関節に痛み物質が蓄積されて踏ん張ったときに痛みがでてきます。
「あそび」の正体は関節を包み込む関節被膜
人間の骨の数はだいたい200個~206個近くあります。
200個の骨と骨をつなぎとめるには、それと同じ数の関節や関節を補強する関節被膜の存在が必要不可欠です。
この関節被膜がないと関節が上手く動いてくれませんし、骨と骨がぶつかって立っているだけで激痛が走るような状態になります。
関節被膜は関節のなかにある神経、靭帯、血管、関節包を格納している頑丈な収納ケースのようなものです。
関節被膜が健康な状態であれば飛んだり跳ねたりして体重の何十倍もの衝撃が膝にかかっても痛みはでません。
1つの関節被膜につき1ミリほど、伸びたり縮んだり捻じれたりしながら全部で8つの方向に微小に動いて衝撃を吸収してくれています。
関節被膜は1ミリほど動いて、また元の場所に1ミリ戻るような弾力のある構造になっています。
この元に戻る弾力のある動きのことを「あそび」といいます。
しかしながらどれだけ頑丈な関節被膜であっても、長年のデスクワークや長時間立っていたりすると関節被膜の強度が下がって「あそび」がなくなってしまいます。
立ち上がる時に膝が痛む原因は膝関節の「あそび」の消失だったのです。
膝のあそびを取り戻すマッサージの仕方
立ち上がるときの膝の痛みを解消するには膝の関節のあそびを取り戻し、膝関節のあいだにスキマを作ってあげることが大切です。
膝関節のあそびを取り戻すマッサージ(膝前)
1.長座になって脚を伸ばします
2.膝の後ろ側に厚めのタオルを敷いて膝を少し曲げた状態にします
3.膝のお皿の周りを親指のお腹でマッサージします
とくに膝のお皿の下側にある脂肪体を痛気持ちいい程度にマッサージすると、膝の関節の挟み込む力が軽減されて膝関節の間にスキマが出てきやすくなります。
立ち上がって膝の内側が痛む場合は膝の内側といったように痛む箇所を優先的にほぐしていきましょう。
マッサージをしている場所が柔らかくなってきたら、別の場所に指を移動させていってください。
膝関節のあそびを取り戻すマッサージ(膝裏)
1.椅子に座ります
足をつけたときに膝の角度が直角になるように椅子の高さを調節してください。2.痛むほうの膝の真後ろを両手で包み込みます
膝の裏に手をもってきたときに人差し指を膝の真後ろに入れ込むような形になっていれば大丈夫です。3.膝をゆっくりと伸ばしていきます
膝の裏を両手で包み込んだ状態で膝をゆっくりと伸ばしていきます。ゆっくり伸ばした時に痛気持ちいいと感じる程度に人差し指を膝の裏に入れ込んで圧迫してマッサージします。4.膝をゆっくりと曲げていきます
膝の裏に両手を包み込んだまま、伸ばした膝をゆっくりと曲げていきます。曲げていくときも人差し指を膝の裏に入れ込んで圧迫しながらマッサージしてください。基本的には膝の後ろに手を包み込んで曲げ伸ばししますが、立ち上がるときに痛む膝の場所が前側の場合は痛む場所に手をあてて膝を動かします。
膝を曲げ伸ばしする回数は痛みがなければ何回行っても構いません。
膝の裏に人差し指を入れ込む強さは膝に痛みが出ない程度に行ってください。
上記でご紹介した2種類のマッサージに取り組んでから、歩いてみると膝が軽くなっているのを感じられるはずです。
筋肉の温度があがるお風呂上がりにマッサージに取り組むとさらに効果を実感しやすくなります。
2週間くらいマッサージをしていると立ち上がったときの痛みが解消されていきやすいので、継続していくことが大切です。
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